2025/09/29 20:56

夏から秋にかけてのドライブや高速道路走行後、フロントバンパーやサイドミラー、フロントガラスにびっしりと付着する虫の死骸(虫汚れ)
見た目が悪いだけでなく、実は車の塗装に深刻なダメージを与える可能性があります。

この記事では、

  • なぜ虫汚れが塗装を傷めるのか
  • 放置するとどうなるのか
  • プロが実践している安全で効果的な除去方法

を徹底解説します。

1. 虫の死骸が塗装に与える危険性

(1) 体液の酸性化によるクリア層のダメージ

虫の体液は時間が経つと酸性度が高まり、塗装表面のクリア層を化学的に侵していきます。
特に夏場の炎天下では気温の影響もあり、酸化・分解が早く進み、2448時間で塗装のクリア層に対して侵食シミ化し、塗装面に残ってしまうことがあります。

(2) 高温による焼き付き

走行後のボンネットやバンパーは高温になっています。その熱によって虫の成分が塗装面に焼き付くと、通常の洗車では落とせなくなります。

(3) 固着によるキズのリスク

乾いた虫の死骸はカチカチに固まり、強く擦ると虫の死骸が研磨粒子のように働き、細かなキズの原因になります。

(4) 体液の侵食による塗装面の着色シミ

虫の死骸は塗装表面に付着するだけではなく、ときに車の塗装に着色されたように虫の体液が入り込んでしまうことがあります。
付着後はなるべく早く除去をしましょう。

2. 放置した場合のリスク

  • 24時間以内:表面に跡が残り始める
  • 数日放置:シミが定着し、洗車だけでは落ちなくなります
  • 数週間以上:研磨や再塗装での修正が必要になるケースも

「時間が経つほど取り返しがつかなくなる」のが虫汚れの恐ろしい点です。

 

3. プロが教える!正しい虫汚れ除去方法

Step1:ふやかして浮かす 
いきなり擦らず、まずはたっぷりの流水などで乾燥した虫汚れを柔らかくしてから洗車をするのが基本となります。


Step2:専用クリーナーを使用
「バグリムーバー」などの専用ケミカルを使用します。
「バグリムーバー」の成分で虫のタンパク質や酸性成分を分解し、塗装を守りながら汚れを落とせます。



Step3:やさしく拭き取る
マイクロファイバークロスを使い、押し拭き軽いスライドの順で落とします。ゴシゴシ擦るのは絶対にNGです。


Step4:水でしっかりすすぐ
「バグリムーバー」の残留成分もシミなどの原因となってしまうため、たっぷりの流水で十分にすすぎます。


Step5:保護コーティングをしておく
コーティングを施工しておくと、次回以降の虫汚れが塗装に直接触れにくくなり、固着を軽減。除去も簡単になります。


4. よくあるNG行為

  • 乾いたままゴシゴシ擦る → キズの原因となります。
  • 強い溶剤やコンパウンドをすぐ使う → 塗装面に多くの負担をかけてしまうため、強位溶剤やコンパウンドの使用は控えましょう。
  • 炎天下での作業 → 液剤が乾いてムラ・シミの原因になってしまいます。

5. 虫の活動時期はいつからいつまで?

·       虫汚れが付きやすいのは、虫が活発に動く 春から秋 にかけてです。
特に 夏(68月) は高温による焼き付きが起こりやすく、もっとも注意が必要です。


虫の活動時期(日本の場合)

  • 春(4月頃〜)
    気温が上がりはじめると、蚊・ハエ・ガ・小さな羽虫などの活動が一気に活発になります。
    特に4月〜5月の暖かい夕方は、街灯や車のライトに虫が集まりやすいです。

  • 夏(6月〜8月)
    虫の最盛期。夜間走行や高速道路では、フロントバンパーやガラスにびっしり付着します。
    特に梅雨明けから真夏にかけては、高温で死骸が「焼き付き」やすく、もっとも注意が必要な時期です。

  • 秋(9月〜10月)
    残暑の頃までは虫の数も多く、シーズン終盤まで虫汚れが発生しやすいです。
    秋の夜長にライトに集まる羽虫やカメムシ類も車に付着することがあります。

  • 冬(11月〜3月)
    気温が低くなると虫の活動は減少。この時期になると、虫の付着汚れの心配も減ってきます。
  • 日本では 4月〜10 が虫汚れシーズン。
  • とくに 夏(68月) がピークで、気温の上昇の影響もあり、付着した虫の死骸が最も落としにくくなリマス。
  • 冬は虫の活動が少なく、汚れはほとんど気にならないです。

 

6. まとめ

  • 虫汚れは酸性化+高温+放置時間でクリア層を侵し、塗装に深刻なダメージを与えます。
  • 正しい方法は「ふやかす → 専用クリーナー → 優しく拭く → すすぐ」。
  • 付着軽減としてコーティング剤などで防汚膜を作ることが効果的

 「虫汚れは放置せず、すぐ落とす」。これが愛車を守る最大のポイントです。